だん和室

第19回 文楽『仮名手本忠臣蔵』の世界/三段目のみどころ

こんにちは。急な雨が増えて、お出かけも億劫になりがちですね。皆様いかがお過ごしですか?

さて今回は、先日私が鑑賞しました「第三回 中日文楽」にて上演された『仮名手本忠臣蔵』のストーリーについてお話します。

文楽の『仮名手本忠臣蔵』の初演は、寛延元年(1748)の8月だそうで、なんと今から267年も前!
全編で十一段あり、すべて上演すると12時間を超えてしまうような大作です。

そもそも『仮名手本忠臣蔵』は、歴史名高い「赤穂事件」を題材としています。
しかしながら、当時、実際に起こった事件の脚色が禁止されていたため、時代や登場人物の名前を変えながらも、「赤穂事件」を連想させるキーワードが散りばめ作られました。

「第三回 中日文楽」で上演されたのは、三段目と四段目です。
三段目は4つの場面で構成されていますが、見せ場はやはり「殿中刃傷の段」ではないでしょうか。

高師直(モデルは吉良)が、塩冶判官(モデルは浅野)に悪口雑言を浴びせかける場面の
「サ鮒めが…鮒よ、鮒よ、鮒だ、鮒だ、鮒武士(ふなさむらい)だ」
というセリフはとても有名です。
その後の「ムハ、ムハ」という高師直の性根の悪さが表現された笑い声は、文楽独特のものだそうです。

公演によって上演される段は異なりますが、三段目をご覧になる際は、要チェックです!

(スタッフF)

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